173人が回答「1番効果を感じるかゆみ止めはステロイド」
「これって管理人だけが感じていること?」を確かめたくてアトピーペディア訪問者へ「かゆみ」に対するアンケートを実施しました。ありがたいことに173人もの方が回答くださいました。その回答と管理人なりの見解を公開します。
1番効果を感じるかゆみ止めは?
- ステロイド外用薬 55人 31.6%
- 冷やす 52人 29.9%
- 非ステロイド外用薬 16人 9.2%
- 熱いシャワー 14人 8.0%
- たたく 7人 4.0%
- プロトピック軟膏 4人 2.3%
- オイラックス 3人 1.7%
- レスタミン 3人 1.7%
- ラナケイン 1人 0.6%
- その他 19人 10.9%
その他の回答
- 掻く
- シャワーの水を当てる
- ローラー針で刺激する
- アレグラ
- タリオン
- ばんのう酵母くんを塗る
- ホワイトクレイ
- ムヒ
- メンソレータム
- ヨモギ入り化粧水で湿布
- リッチゾンDX
- 経皮消炎鎮痛剤
- 水素水
- 虫刺されのかゆみ止め
- 入浴後の乾燥や痒みが激しい時には、ガサガサした肌が少し滑らかになるまで数分置きに保湿を繰り返してます。そうすると、1時間ほどで痒みが半減します。
- 背中側の骨盤を触って一番骨が出ている所のすぐ横に親指をグリグリとねじ込んで揉む。【どちら側でも可】何故か痒みが引く。
- 薬はなるべく使わず痒い時は掻いています。RG92というのが私には合います。3回くらいつけると骨まで痒いくらいの痒さが引きます。
「やっぱり」と書こうか迷いましたが、やっぱり1番効果を感じているかゆみ止めはステロイド外用薬と回答した方が1番多く、31.6%を占めました。
「ステロイドしか使ったことがない」とも考えられますが、アトピーの炎症や痒み止めの第一選択薬として君臨するステロイド、「かゆみが止まる」と認識している人は多いです。
管理人の、「ステロイドはあくまでも抗炎症薬(消炎)であってかゆみ止めではない」という認識が覆されました。
東京逓信病院皮膚科部長 江藤 隆史医師は、
ステロイド外用薬の効果が薄れてきたと感じる場合、多くは、正しい使い方をしていないため。「塗ったり塗らなかったりしている」「症状の程度に合わない弱いステロイド外用薬を使い続けている」ことが原因です。中毒になってやめられなくなる、というのも、まったく逆です。ステロイド外用薬を適切に使って、皮膚が回復してくると、しだいに保湿などのスキンケアだけでよい状態を保てるようになります。ステロイド外用薬を適切に使うことが、むしろステロイド離脱への早道なのです。
と解説しており、正しいステロイドの使い方をすれば、アトピーをコントロールしていくことは可能と述べられています。
(著「子どものアトピー性皮膚炎 正しい治療法」より)
管理人も辛い脱ステロイド症状に悩まされ、壮絶な脱ステロイド体験をした1人です。
本当にステロイドでコントロールし続けられるのなら、あんな辛い脱ステロイドはしなくても良かったのか?とも思えてきます。
今回実施したアンケートでも、ステロイドでうまくコントロールできていると回答した人は14.4%いました。
しかし、ステロイドはかゆみ止めとして有効という大多数の意見とは裏腹に、ステロイドの使用を拒んでいる回答も多くありました。
ステロイド・プロトピックについて、どう考えていますか?
- 使い続けたくないが症状が辛いので使ってしまう 71人 40.8%
- 自己流の脱ステロイドに挑戦中 37人 21.3%
- うまくコントロールできている 25人 14.4%
- 脱ステロイドの知識に長けた医師にかかりたい 22人 12.6%
- 使ったことがない 20人 11.5%
- プロトピック軟膏 4人 2.3%
- その他 12人 6.9%
その他の回答
- ステロイドのみ依然使用していたが、現在は使用せず耐えている
- 医師のもとで脱ステロイド中
- 使いたいが後遺症が残ると聞いてあまり気が進まない
- 使用していたが、今は脱ステロイドをしている
- 小学校の高学年くらいから使うのをやめた
- 昔使っていたが今、使用していない10年くらい
- 脱ステロイドの知識に長けた医師にかかっている
- 脱ステ成功しました
- 脱ステしました
- 予め副作用のことを医師が説明してくれたらこんな風評もなくなるのでは?薬じたいは特効薬ではないでしょうか。
使い続けたくないが症状が辛いので使ってしまうと回答した人が40.8%で、大多数を占めています。
使い続けたくない、脱ステロイドをしたいなど、ステロイドの使用を拒んでいる人は多いのが印象的です。
結論として、アトピーのかゆみにステロイドは効くけど実は使いたくないと思っている人が多いということがわかりました。
とにかくアトピーのかゆみを止めたい、リスクがあるのはわかっているけどかゆみをなんとかしたい、こんなアトピー患者の切実さが伝わってきます。
かゆみさえ止まればいいのか?
一方で、アトピーはかゆみさえ止まればそれでいいのかと問われると、そうではありません。
アトピーの乾燥や皮剥けといった皮膚の異常な状態や、赤みや黒ずみ、シワといった「見た目」の問題もクリアされて初めて「アトピーをコントロールできている」と言えるのではないでしょうか。
ここで重要になってくるのは、やっぱりステロイドには副作用があるという問題です。
同医師のステロイドの副作用についてのくだりを引用しますと、
- 皮膚が委縮して薄くなる
- 毛細血管が拡張子、血管が網の目のようにみえる
- ステロイド紫斑(紫色の斑点)がでて、出血しやすくなる
- 特に顔に赤みが増したステロイド潮紅がでる
- 皮膚に妊娠線のような皮膚線条が走る
- その部分の体毛が少し濃くなり、多毛症になる
- ステロイドざ瘡(ざそう)というニキビが出る
- ニキビダニによるニキビが出る
- 酒さ様皮膚炎(顔が赤くぶつぶつする、もっともはげしい副作用)になる
- 口の周りが赤く、ぶつぶつした口囲皮膚炎になる
- カサカサ肌の乾皮症になる
- 細菌感染を悪化させてしまう
- 水虫を悪化させてしまう
- ヘルペス感染症が悪化する
- ミズイボが増える
15項目もの副作用があると解説しています。(著 専門医に聞く「新しい治療とクスリ」アトピー性皮膚炎)
つまり、ステロイドによるコントロールを続ける場合、アトピーの乾燥や、乾燥が強くなることでできるシワ、ぶつぶつとしたニキビのような湿疹、顔の赤みは、かゆみが止まることの代償として覚悟しなければいけないということです。
これって「コントロールできている」と言えるのでしょうか。
例えば赤ちゃんや子どものアトピーの場合、健康な肌の子どもと同じように、プール遊びや泥んこ遊びができるのか。
例えば社会人女性のアトピーの場合、健康な肌の女性と同じように、メイクやおしゃれができるのか。
「かゆみ」をコントロールできている状態が維持できていても、「アトピー」を理由に健康肌の人と同じことができないというのは、コントロールではなく一時的な「対処」に過ぎないのではないでしょうか。
アトピーは「かゆみが止まる」だけで済む問題ではない
アトピーはとにかく「かゆい」病気です。
かゆみで夜に起きてしまう、勉強に集中できない、掻き壊して痛いなど、体の健康維持はおろかモチベーションを保つことさえ難しくなります。
ですからついついかゆみを止めることに執着してしまいますが、私たちアトピー患者がもとめる状態とは、かゆみを止めること以外に、見た目や生活においても強い願望があるということを知って欲しいです。
かゆみをとめたいからステロイドを使うことは、今回のアンケートでたくさんの方が有効視していることがわかりました。
それを後押しする専門医の見解もあります。
かゆみを止めて、次はどうするの? というのが、アトピー患者の大きなテーマなのかもしれません。
2016/11/18~2017/1/15実施 有効回答数174件
回答にご協力いただいた方へ、この場をお借りして感謝申し上げますm(_ _)m
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